星をみた海

I looked at you.

逆転Winnerになるっきゃない

今年受験生になった。そこそこ偏差値の高い都立高校に、附属の中学校から通っている。

 

小学生のとき、私は特別な人間だと思い込んでいた。必死に努力なんかしなくても何もかもうまくいく、誰からも好かれて信頼されて頭も良くてスポーツもできる。

私は選ばれた人間だと信じてやまなかった。

中学校に入った直後もその気持ちは変わらなかった。確かに周囲は小学校のときよりも格段に頭も良くなってとにかくしっかりしている人が多くなったけど、それでも勉強しなくたって良い成績をとれたし、積極的に委員会活動や部活動をしているとすぐにたくさんの友達が出来た。

 

それが少しずつ壊れていくのを肌で感じながらも、私は冷静だった。

なーんだ、私って特別なんかじゃなかったんだ。そう悟り開くようになると、さらに成績は落ちていった。

 

今年の入学式の日、合唱コンクールで優勝した代表クラスとして校歌を歌ったあと、高2のクラスの人とバーベキューをした。

大雨だったけど、みんなで食べるお肉は美味しくて、お腹いっぱいになったころには雨が止んだので、ひとの少ない臨海公園で思い切り遊んだ。

こんな日が永遠に続けばいいのにと私が言うと、またこんな日が来るようにあと1年頑張ろうねと言った。

 

ああ、頑張らなきゃと思った。遊ぶために、またこんな日が来るために頑張らなきゃと思った。

 

ジャニーズWESTのライブだってそうだ。あと1年は行けなくなる。けど、その1年後心から楽しむために、今、頑張るしかないとこの日気づいた。

 

それから私は、毎日最低2時間以上は勉強するようになった。微塵も勉強なんかしたことなかった私にとって、それは紛れもなく大きな成長だった。

 

そして発売を迎える「逆転Winner」。

これは私のための歌なのでは!?と思うくらい、今の私の背中を全力で押してくれている。

「逃げたら将来だって後悔」本当にその通りだと痛感する。絶対に後悔したくない。

志望校も決まった。今の私には到底届かないレベル。

私はジャニーズWESTに背中を押してもらっているんだと言い聞かせて、必ず1年後、逆転Winnerでありたいと思う。

 

好きな人に好きじゃなくてありがとうが言いたい

私の好きな人に彼女ができた。私じゃない、私より背の低い、ピンクが好きな女の子。それでもどうしてか苦しくないのは、これが恋じゃなかったからなのか、あるいは心の奥底でまだ勝算があるとでも思ってるのかは、今の私には分からない。

 

高校1年生の秋、3歳年上の彼氏に別れを告げられた。浪人生として今以上に大学受験に専念したいと言われて、あと半年ぐらい待てるのにと思ったけど、口には出さなかった。私に、彼の夢を妨げる権利なんかどこにもないと知ってたから。

 

高校2年生の春、私はひさしぶりに片想いの甘酸っぱい味を思い出した。背の低い、ピンクの彼女と付き合ってる彼。秋にさよならした彼とは学校が別だったから、教室に好きな人がいるのはなんだかむずがゆくて楽しかった。

隣の席になると、いつも緊張した。どう話していいか分からなくておかしなことを質問すると、必ず優しく笑ってくれた。その笑顔を見る度に好きになった。

 

彼のおかげで学校をサボらなくなった。高1のころは、夜中まで遊んで遅刻は当然、無断で早退して怒られることもあった。高2になってからの私は、学校にいない時間が惜しいほどに学校を楽しんでいた。まぎれもなく、彼のおかげ。

 

もしチャンスがあるなら、ありがとうと言いたい。好きでしたなんて遅すぎるエゴでしかない告白はしたくない、ただ、あなたのおかげで学校が楽しくなった、そのおかげで目標が出来て、毎日勉強できるようになったと伝えたい。ありったけのありがとうが言いたい。