星をみた海

I looked at you.

好きな人に好きじゃなくてありがとうが言いたい

私の好きな人に彼女ができた。私じゃない、私より背の低い、ピンクが好きな女の子。それでもどうしてか苦しくないのは、これが恋じゃなかったからなのか、あるいは心の奥底でまだ勝算があるとでも思ってるのかは、今の私には分からない。

 

高校1年生の秋、3歳年上の彼氏に別れを告げられた。浪人生として今以上に大学受験に専念したいと言われて、あと半年ぐらい待てるのにと思ったけど、口には出さなかった。私に、彼の夢を妨げる権利なんかどこにもないと知ってたから。

 

高校2年生の春、私はひさしぶりに片想いの甘酸っぱい味を思い出した。背の低い、ピンクの彼女と付き合ってる彼。秋にさよならした彼とは学校が別だったから、教室に好きな人がいるのはなんだかむずがゆくて楽しかった。

隣の席になると、いつも緊張した。どう話していいか分からなくておかしなことを質問すると、必ず優しく笑ってくれた。その笑顔を見る度に好きになった。

 

彼のおかげで学校をサボらなくなった。高1のころは、夜中まで遊んで遅刻は当然、無断で早退して怒られることもあった。高2になってからの私は、学校にいない時間が惜しいほどに学校を楽しんでいた。まぎれもなく、彼のおかげ。

 

もしチャンスがあるなら、ありがとうと言いたい。好きでしたなんて遅すぎるエゴでしかない告白はしたくない、ただ、あなたのおかげで学校が楽しくなった、そのおかげで目標が出来て、毎日勉強できるようになったと伝えたい。ありったけのありがとうが言いたい。